立命学 四柱推命学・算命学 雑記

~啓蟄を迎え、“離”別の月『3月』に思うこと~

啓蟄を過ぎ、春光天地に満ちて、地中で眠っていた生物たちが目覚め、地上に新芽が顔を現す、希望あふれる季節となりましたね。
スポーツ界においては、(パラリンピックはこれからですが)一喜一憂して観戦したバンクーバー五輪は終わり、今度はプロ野球オープン戦が始まり、サッカーではJリーグが開幕しました。
ウメサンんちも、高校三年生の長男が2日に卒業し、来月からは大学生活が始まります。
3月という月は、別れと新たな出発が同居するときですね。
思えば今から12年前の寅年の3月、東京の江東区から桶川の地に引越してきました。11年前の3月は勤めていた旅行会社を退社し独立起業、9年前の3月は、愛犬のポッチーが4歳で他界、2年前の3月は、愛猫のチョビが23歳の大往生を遂げました。
ウメサンんちにとっても3月というのは、別れと新たな出発の時であることを感じます。
別れは誰しも悲しいですが、出会いがあればいつか必ず別れがくる、そしてまた新たな出会い・・・、まさに諸行無常の事象ですね。
風水の一流派である八宅派が扱う本命卦※1は、小成卦の八卦がもととなっていますが、小成卦のひとつに『離』卦があります。
お客様の本命卦は『離』ですから・・・、とお話しすると、お客様の中には「『離』ってことは、私には“別れる”宿命があるんですか?」と、心配して聞かれることがしばしばありますが、通常『離』の意味として離れる、別れると解釈するので、致し方ないことだと思います。
かくいうウメサンも、易経や風水学を学ぶ以前は、「離=離れる、別れる」と思っていました。
しかし易経における大成卦※2『離』の卦辞※3を通し、もっと深い意味があることを知り得ることができたのです。

30 離 ??※4「離為火」
離(り、li)は六十四卦の第三十番目の卦で上経の最後を飾っている。上下ともに、光明を現す離で構成され、麓であり、無限の光明を象徴している。離??※4は、真ん中の陰爻が上下ふたつの陽爻に付着している形象なので、「離」(付着)と命名された。
序卦伝によれば、離とは麓く(つく)、付着という意味であり、陥れば必ず何かに付着してこそ、抜け出すことができるので、坎の後に置かれたという。
離は、坎の裏返しの卦(錯卦)である。上下ともに火で、火は何ものかについて初めて炎上し、火としての特性を発揮する。離には、はなれるという意だけでなく、逆の付くという意もあるわけだ。
この、火がどこに付くのかが重要で、これを人事にあてはめれば、人は何に付き従うかということになり、そのことを真剣に、慎重に考えなければならない。そうすることにより吉慶を得ることができるのである。
(立命塾主催の『立命するための易学講座』テキストより抜粋)

3月、たしかに離別の月ではありますが、別れを通じて深い悲しみに陥り、陥ったなら必ず何かに付いてまた上がることができる・・・、別れがあれば出会いがあるわけですが、何に誰に付いていくのか、それを見定める月間なのではないでしょうか!?
ウメサンが擲銭で使用する乾隆帝古銭3枚
左画像はウメサンが周易または断易にて易占するときに用いている乾隆帝の古銭3枚ですが、時には卦を出さずして、敢えて克己すべく、どれかの卦(特に坎卦など厳しい艱難辛苦の卦)を教示や指針として、用いる場合もあります。

かくいうウメサン自身にこの離卦を今月の訓示として言い聞かせ、この一ヶ月を過ごしたいと思います。

※1 本命卦は風水の一流派であり、もっとも広く知れ渡ってポピュラーな八宅派が用い、人が生まれながらにして持つ『八方位に対する感応傾向』とされ、生年月日により決定する。談氏三元玄空地理では命卦といい、『八方位に対する感応傾向』は考えず、宅運盤の坐星、向星と照らし合わせての吉凶判断に用いる。
※2 大成卦とは、3爻からなる小成卦()を上下に組み合わせた卦で、64卦ある。
※3 卦辞とは、易経における64卦に対する説明文のこと。
※4 ブログのシステム上反映されていないが、本来縦一列に六爻が並ぶ。左側が上卦、右側が下卦。

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