易学講座 易占

周易による占断手引書~『易占秘論』を加筆修正した増補版~

周易による占断手引書~『易占秘論』を加筆修正した増補版~

 12月も中旬となり、今年も残すところ2週間余りとなりました。24節気の大雪を過ぎ、その名の如く日本海側や北海道はかなりの降雪となったようです。東京近郊はまだ初雪とはなりませんが、朝晩はかなり冷え込み、14日早朝、拙宅付近では濃霧が発生して、幻想的な光景でした。

2022.12.14朝の拙宅付近の光景
2022.12.14朝の拙宅西方位の光景

さて今回は掲題にあるように、来年1月14日開講の実践的易学講座にて使用する周易テキストを、紹介させていただきます。
「易占秘論」は、私の師匠である故遠藤尚里先生※が執筆された秘蔵書です。遠藤尚里先生は、昭和時代に活躍された占術家で、陰陽塾を主宰して、、四柱推命、風水、観相、手相、九星気学などを教え、多くの弟子を輩出されました。かく言うウメサンも、1995年から2年間、毎週土曜日に陰陽塾にて学ばせていただき、陰陽道運命鑑定師範の免状をいただきましたが、その直後に体調を崩され、86歳で逝去されました。よって遠藤先生の最後の弟子と自覚しているウメサンです。
遠藤先生は文学博士でもありまた、長らく公益社団法人易学連合会の相談役を歴任されてましたので、易経や断易(五行易)に対しても、とても精通されておられました。
易占秘論は陰陽塾蔵書として、一般書として店頭には並んでおりません。卦辞を占断で使用しやすく解釈されており、目的別に吉凶と対策が書かれていて、易占初心者でも占断しやすい内容となっています。
蔵書版は遠藤先生直筆のガリ版印刷の本でしたが、先生には失礼ながら、数箇所言い回しが不自然なところを修正させていただいた以外は、加筆、削除、訂正をすることなく、ワープロして写本としました。
そして、平成十九年に立命塾を開講するにあたり、遠藤先生の蔵書版にはなかった各爻辞も、易経上・下(高田真治/後藤基巳著 岩波書店)を基に意訳して取り入れましたが、亡き遠藤先生が背後で後押し下さり、的確な意訳ができたと自負しています。
さらに令和四年、第十六期の立命塾塾生を迎えるにあたり、南宋時代に活躍し、中国哲学・中国五術の偉大な先人のひとりである、(本名は朱熹)※が著した「周易本義」を参考文献として、加筆修正させていただき、「易占秘論増補版」(A4版、ホルダー綴じ)としました。周易による占断において、的確に速断することができる手引書になったと自負しております。

易占秘論増補版(上経)
易占秘論増補版(下経)

下画像は、易経下経の62番目にある「雷山小過」のページ画像です。(赤字部分が今回、周易本義をもとに加筆修正した箇所で、実際お増補版では黒字になっています。)

易占秘論増補版 雷山小過1
易占秘論増補版 雷山小過2

しばらくは市販はせず、立命塾蔵書として、立命塾門人限定の手引書とさせていただきます。

※遠藤尚里
1911年生まれ。小学校、中学校、高等学校の教師を歴任。太平洋戦争勃発に伴い、教師の職を辞す。終戦後、山本哲仙師主宰の陰陽塾に入塾し、易学、観相、手相、九星気学、四柱推命学、家相学、姓名学などを学び、免許皆伝。
戦後の1948年、進駐軍の米軍キャンプにて、アメリカ兵達の手相、人相などを見て評判をとる。
1958年、占術家として生計を立てつつ、日本大学大学院修了し、文学博士号取得。
1972年、山本師の後を受け、陰陽塾を主宰し後進の指導に当たり、多くの弟子を輩出する。
1998年に逝去。
著書に「陰陽道史の研究」「四柱推命入門」「九星気学占いを始める人のために」「手相占い入門」など多数。

※朱子
朱子(しゅし 1103年~1200年)は南宋時代に活躍した儒学者のひとり。 本名は朱熹(しゅき)、尊称として朱子とよばれるようになった。 儒教の基本的な体系化をはかった儒教の中興者。 所謂「新儒教」として有名な朱子学の創始者でもあるばかりでなく、易経や風水にも造詣が深く、実母の祝の死後、龍穴地に弔っている。

追伸
第16期立命塾実践的易学講座(1月14日開講)募集中です。

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