易学講座 易占

周易の実占例(五島列島の旅最終日の日筮)

の実占例(五島列島の旅最終日の日筮)

 二十四節気の大雪を過ぎ、令和元年も余すところ十数日となり、いよいよ師走の月名通りの気忙しい時節となってきましたね。
そんな中ウメサンは家内と二人で、長崎県の五島列島へ三泊四日の旅をしてきました。旅行と言えば、仕事を忘れてのんびり楽しくリフレッシュというのが普通でしょうが、ウメサンの場合は仕事柄どうしても、風水のフィールドワークを兼ねた旅となってしまいます(^^;
12月8日~11日の三泊四日でしたが、今回の旅は、昨年の2018年6月30日に、世界遺産登録が決定したカトリック教会を巡礼するのが目的でした。巡礼と言ってもウメサンはカトリック教徒ではありませんが、高校時代に人生を大いに悩んだ時期があり、そのときに出会った聖書の言葉で随分と救われた経験のあるウメサンでしたので、豊臣秀吉のキリシタン禁教令による弾圧から五島列島に逃れ、隠れキリシタンとして400年以上も代々、信仰が継承されてきた地に引き寄せられての旅行だったと感じます。
4日間で十数ヵ所の教会を巡らせていただきましたが、風水的考察としては、その中からふたつの教会をピックアップして、記事を改めて後日投稿したいと思います。
今回の記事は掲題にしましたように、旅程最終日の早朝に行った日筮(にちぜい、早朝にを立てて一日を占うこと)に関してです。ウメサンは基本的に毎朝日筮を行うようにしています。(とは言え、起床が遅くなり余裕なくできない日もあります。実際今回の旅でも、初日と二日目はできませんでした(^^;)
今回の五島列島の旅では、一泊目と三泊目は福江島のコンカナ王国、二泊目は中通島のホテルマルゲリータに宿泊しましたが、最終日の四日目の早朝6時頃に立てた卦は下記のとおりです。

山火賁⇒離為火

本卦は『山火賁(さんかひ)』
(けじ、卦の持つ意味)
卦『艮』は山、下卦『離』は火を表す。火は日、山は止を意味し、文化文明が事物の本体の上に依拠していることを表しているので『賁』とした。
人物でたとえれば教養ある文化的な立派な人物と見られる一方、表面を飾る虚飾家で、外見の立派な割合に、中味が空虚な人である。運勢もその通りで、見かけ倒しで、人に羨まれるほどには内実がよくない時である。かかる時こそ尚更、人に対して誠実を旨とし、嘘言を言わずに親切に交際して、信用を築くように心がくべきである。
また事を成すに、妨害や故障のありやすい時だから、小事にはよいが、大事にはよくない。今の運勢は、遠くの見透しがつかないのが欠点だ。

変爻は四爻
・山火賁四爻の爻辞
陰柔が不中だが正を得、初九と正応。しかし九三とも比で、どちらにつくか、思い悩んでいる形象。きらきらと身を飾る(九三)のか、外見を飾るのでなく、質素純朴を旨とする(初九)のか、思い悩むが、後者こそ自分があるべき姿であることを悟り、安堵するという象意である。

之卦は『離為火』
・離為火の卦辞
上下ともに、光明を現す『離』で構成され、麓であり、無限の光明を象徴 している。☲☲は、真ん中の陰爻が上下ふたつの陽爻に付着している形象なので、『離』(付着)と命名された。
表面は派手で賑やかだが、内実は貧弱空虚という運勢である。独立して事をなすよりも、よき友を得て協力してするが吉。又物事の変化が激しいときで、いかに、これを取りさばくかがむづかしい。
大体に移り気で気迷いが多く、一事に熱中するかと思うと他に興味を持つという風で、持久力に欠けている。事の善悪を明察し、目上の賢者の指導に従い、従順柔和に処していけば、吉である。奢侈を避け、剛情性急を戒めぬと禍を招く。主に火難・女難を注意すること。又親しき者に別れるという意もある。

以上が易神からの一日の天啓です。山火賁から離為火に変化していくことを示していますが、爻辞が行動指針のキーワードとなり、巡る教会の外見ばかりに目を取られるのではなく、キリシタン迫害の歴史や何百年も絶えることなく代々祈り続けられてきた氣を感じることが大切だと悟りました。
旅を終えた後にそうだったんだと実感したのですが、世界遺産、有形文化財となっている教会ではなく、あまり観光客が行かないような質素な教会こそ、祈りこめられていることを教示してくれていたのです。実際、観光地として有名な教会ではなかったのですが、水之浦教会、楠原教会の教会堂内は、祈り続け祈りこめられていることを実感しました。
さて、易卦は上記のような行動指針としての教示だけでなく、気象などの自然現象をも予め示してくれることがあります。
下画像は、コンカナ王国の庭園にて、朝食会場に向かう途中の7時頃、鬼岳を撮影したものです。

朝焼けに染まる鬼岳

鬼岳が朝焼けに染まってとてもきれいでした。この日(12/11)の五島市における日の出時刻は7:26でしたのでまだ日の出前で、位置関係としては鬼岳が上、太陽が下となります。
山火賁は、上卦が艮で山、下卦が離で火、火は太陽も意味しますが、まさに山火賁が表す情景です。この朝焼けはものの2~3分で見えなくなり、曇天の朝でした。
最終日は10時にチェックアウトし、レンタカーにて教会巡りをしましたが、堂崎教会、水之浦教会、楠原教会と巡りました。午後2時くらいになると、いつのまにか雲はほとんど去り行き、太陽の日差しが心地よい好天気となりました。まさに之卦の離為火どおり、雲にさえぎられることのない青空に輝く太陽を拝むことができました。
最後に繁敷教会に行きたかったのですが、カーナビには反映されず、仕方なく近隣を目的地としました。カーナビ通りに行くと予定していた幹線道路ではなく、近道の山を抜ける旧道のルートでした。10月の台風により土砂崩れが数か所あり、怖い思いをしながらも進み行きましたが、結局見つからずあきらめました。
旅の初日(12/8)、コンカナ王国での夕食時に、配膳係の若い女性スタッフに、お薦めの教会がありますか?と尋ねたところ、教えてくれたのが繁敷教会で、隠れキリシタンが密かに信仰を貫いた、山間にぽつりとある隠れ家的教会ということでしたので、ぜひとも行きたかったのですが、残念でした。山火賁の卦辞にある妨害とはこのことだったのかと、後から感じました。
レンタカー返却予定時間は16:30でしたが、最後に鬼岳(下画像)に寄りました。鬼岳は標高315mの休火山※で、駐車場のある登山口から15分ほどで山頂まで登れました。全山緑の芝生におおわれており、好天気にも恵まれ、心地よい海風を受け、大変気持ちが良かったです。

鬼岳全景

下画像は鬼岳の火口跡です。

鬼岳の山頂火口跡

鬼岳火山群は今から300~500万年前に噴火して、西洋の盾を伏せたようななだらかな台地を造りあげた楯状火山(アスピーテ)の上に、さらに5万年前第2次の噴火によって臼のような形をした臼状火山(ホマーテ)が重なり合ってできたもので、火山学的にはシンダーコンと言うそうです。
之卦の離為火通りの太陽がさんさんと輝く晴天の下、清々しいハイキングができました。その後福江港ターミナルにてお土産を買い、レンタカーを返却して福江空港より18時10分にプロペラ機のORCにて、五島の地を後にしました。五島列島は、昨年世界遺産に登録されたばかりの地で、日本では信徒の少ないカトリック教会群ということもあり、まだまだ観光地化されておらず、島民と自然と共生していることを感じ、とても居心地の良い地でした。まだまだ巡り切れていない教会も多く、ぜひまた来たいと思わしてくれる島でした。まさに之卦の離為火が示している通り、慕わしさをかんじさせてくれた地との別れで名残惜しかったですが、機会あればぜひまた来たいと思っています。

※休火山
休火山(きゅうかざん)とは、有史以来、火山活動の記録があるが、現在は噴気などの目立った活動のない火山を指す、旧来の呼び方である。睡眠火山などと称されていたこともある[1]。かつては活火山死火山とともに便宜的な分類として用いられていたが、使用されない用語となっている。(Wikipediaより)
追伸)
・頭が島天主堂と堂崎天主堂の風水的考察は、後日投稿致します。
・新春2020年1月25日(土)開講の第13期立命塾実践的易学講座募集中です。

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