市川猿之助無理心中事件を風水学と命理学の観点から考察Ⅱ

残暑お見舞い申し上げます。
暦の上では立秋を迎えたので、残暑見舞いになりますが、猛暑続きで夏真っ盛りの様相ですね。日本はじめ東アジアの四季が崩れ、春秋は短く、夏冬が長くなりつつあり、日本はすでに温帯ではなく、亜熱帯になってきている感があり、二十四節気を重んじる風水師として、とても憂うるこの頃です。
本当にこの温暖化をなんとかしていかないと、ゲリラ豪雨やスーパー台風襲来、豪雪など、子供や孫以降の世代が益々暮らしにくい気候になってしまいます。ウメサンは大学で環境工学を専攻していましたし、風水は中国流環境学ゆえ、先ずできることとして、危機を発信し続けていきたいと思います。
四季は崩れつつありますが、今年もウメサンちの庭の百日紅が満開となり、蝉が停まっては一所懸命に鳴いています。

植物や虫達は、崩れつつある四季の中でも、時候に合わせて懸命に営んでいることを感じ、夏バテ気味のウメサンにパワーを与えてくれています。
さて前置きが長くなりましたが、本題の「市川猿之助無理心中事件」の考察に入りたいと思います。前回は風水学の観点から考察しましたが、今回は命理学の観点で考察します。命理学としてウメサンは四柱推命学を主として用いています。下記は猿之助さんの命式原局です。

両親はじめ家系の場である「年柱」に、学芸を意味する「印綬」が重なっており、代々歌舞伎役者の家系と符合します。
また、命式の中心である月支元命は「偏官」で、年柱の印綬と連なり「官印格」を形成しています。この格は一言でいえば、‶官を捨て印に付く”となります。
男性にとって官星は、地位名誉、権威、家庭的には子供を意味しますが、地位や家庭を犠牲にしてでも、技芸に生きる人であることを意味します。
もうひとつ命式原局の特徴は、月柱と日柱が偏官と正官の並びとなっており、「殺官混雑格」※でもあります。（下表参照）

正官と偏官が混在する命式は、女性なら離再婚、男性なら職業や住居が変転しやすい暗示となります。月支は「自分の心」の場、日支は「配偶者や家庭」の場ですので、取り分け家庭的な不安定さの憂いがあります。猿之助さんは47歳にして独身ですが、結婚し家庭を築き子供を得るという、普通の家庭とは縁遠い憂いがあります。

下表は大運（十年運）との関りを表していますが、日柱「丙子」と大運「壬午」とが天戦地冲となっています。

その名称から天も地も衝突する大凶と解することができますが、今まで成してきたことがことごとく思いのままにいかなくなることを意味し、人生の大きな転機となります。取り分け、それまで明るみに出ることのなかった悪事が露見するときでもあります。
猿之助さんは４６歳からの十年間、天戦地冲の運気に入っていますが、週刊誌のハラスメント疑惑記事通りなら露見すやすいのです。
ビッグモーターの保険金不正水増し事件が世間を騒がせていますが、兼重元社長も今年は天戦地冲の歳運にあります。この事件に関しては改めて考察させていただきます。
なお天戦地冲のときが必ずや大凶とは限りません。悪事をしていたとしても、人の忠告を聞いて改めていれば大事に至らず済みます。天は必ずお徴を与えるとされ、猿之助さんに対しても、誰かが忠告したりしていたはずです。
悪事をしていなくてもこの期間は試練のときで、今までのやり方にこだわり無理強いしても決してうまくいかず、逆効果となりますが、謙虚に意見やアドバイスを求めて受け入れることができれば、艱難辛苦を乗り越えることができるのです。まさに「試練の後に恵みあり！」です。

下表は歳運（一年運）との関りを表していますが、年干支「癸卯」と生日干支「丙子」とは地支が卯‐子の「礼なき刑」関係にあります。

「礼なき刑」は凶害が強く、横暴で肉親を剋するとされます。もともと生年支と生日支が卯‐子ゆえ重なり、凶害が大きくなります。生年支は親や先祖の場、生日支は配偶者や家庭の場ゆえ、肉親を剋する確率は非常に高いです。無理心中によりご両親は亡くなってしまうという、最悪の事態となってしまいました。

前回は風水学の観点から考察しましたが、風水環境的要因と運勢的要因が重なった時期に、良いことも悪いことも現象化しやすいことを長年の経験から実感しています。
もしも天からのお徴を受け入れて改められていればこうした最悪の事態は避けられたのではと、返す返す残念でなりません。

※偏官
十ある通変星のうち、日干と同じ陰陽五行である比肩から数えて七番目となり、我（日干）を剋するので七殺（しっさつ）とも称され、「殺」と略される。

追伸
ウメサンの私塾「立命塾」では、命運（宿命）を学べる実践的四柱推命学講座を行っています。関心ございましたら、ウメサンのＨＰをご照覧いただけますと幸甚です。