渡哲也さんを命理学で弔う

サングラスと言えば渡哲也と言われるほど、サングラスのとても似合うカッコよく、渋い俳優さん
でした。
まだ78歳・・・
年齢を重ね、これからますます渋みを増した、円熟の演技を楽しみにしていましたが、残念です。

あの毒舌がいつもは冴えるビートたけしが8月15日、TBS系「新・情報7DAYSニュースキャスター」（土曜午後10時）で、次のように珍しく神妙に語られていました。
「かっこいいなあ、と思いました。頭が上がらなかったですね。ある時、飲食店で松尾雄治氏の誕生日を祝っていた時、渡さんたちが同じ店に入って来たので、『今日、松尾の誕生日なんです』と言ったら、渡さんは『そうですか』と言って帰って行った。俺らも帰ろうかとなったら、店のおやじが、『飲み代は全部渡さんが払ってくれました。』と。誕生日おめでとうって書いてある花まで届けてくれた。それをなにげなくやってくれた。」
「芸能界で渡さんから教わったことは、お店行って若手の芸人が居たら、先に勘定を払って帰って行くこと！」としみじみと語り、その後自分も同じことを続けていると話されていました。
無言のうちに、あのビートたけしに頭が上がらなかったと言わせしめる渡さん、かっこいいですね！

ウメサンも「くちなしの花」以来の一ファンとして、占術家の立場から、命理学を通して、弔わせていただきたく思います。

渡さんは1941年12月28日生まれ（生時不明）
下表が四柱推命命式です。

命式のタイプとしては、月支元命を中心とすることができる正格のうち、生日干が庚金生月支が子水の『金水傷官格』です。

傷官はその名の如く、官即ち職場の上司や夫（女性の場合）を傷つけるとされ、凶とされることが多いです。
しかし傷官には生日干の五行ごと５タイプにさらに分かれ調候に必要な「水」と「火」から生じる
金水傷官
木火傷官
は、有用な傷官とされ吉格です。

さらに生日支蔵干と生月支蔵干が干合しています。

傷官は干合を喜び、傷官の持つ凶意は潜み、吉意が現れやすくなります。

有用なる金水傷官格かつ干合を喜ぶ傷官格ゆえ、一匹狼と例えられる傷官の良さとして、男の憂いを感じさせる渋味を醸し出し、ご本人の努力も相俟って、傷官の長所とされる技芸面が磨かれ、渋み
のある俳優となられたのでしょう。

また、五行の金が太過（３つ以上）しています。
中医においては、五行ごとに身体の部位が配当されており、金は肺はじめ気管支系、大腸です。
中国五術においては、五行のバランスを重視し、ある五行が多すぎても、少なすぎても、良くなく、健康面においては、その五行が示す身体の部位の病気に罹りやすいとされます。
前述したように、渡さんの命式は、金が太過しており、肺や気管支系、大腸の疾患に罹りやすく、要注意でした。
ここに、大運（十年運）歳運（一年運）の干支が持つ五行が絡み、太過している五行をさらに増し
たり、少ない五行を剋したり洩らしたりするときに、発病しやすくなるのです。

それでは先ず、大運（十年運）を見てみましょう！渡さんの十年運です。

渡さんは1991年に、直腸癌を患われて手術をされています。

50歳となられる年ですが、このときの大運干支は乙未でした。

渡さんの生月干支とは、庚-乙の干合で合化して辛が生じ、子-未の害は文字通り、人間関係や仕事を害したり、健康を害す憂いがあります。もともと金が太過している命式に、さらに庚-乙の金干合で金
（辛）が加わり、さらに1991年干支が辛未ゆえ、ますます金（辛）が増したばかりでなく、子-未の害が重なり、五行の金に属する身体の部位「大腸」（直腸は大腸の一部）を患われることになったと思われます。

渡さんは2020年8月10日に逝去されました。まだ78歳でした。
大運干支は壬辰、通変星は食神が巡っています。

偏印は別名「倒食」と言われ、食神と出会うと暴力的となり、食神の持つ福禄寿を壊そうとします。生日柱の偏印は生日支蔵干通変星で、生日支に蔵されている干の通変星ですが、生日支「戌」と大運支「辰」が冲となって衝突し、偏印の持つ倒食作用が激しさを増しています。

渡さんの場合は、高齢かつ大病後体力が衰えておられたので、福禄寿のうちの寿、生命に倒食作用が及んだと思われます。

そして今年2020年の年干支は「庚子」、生月干支と同じです。これを律音（りっちん）と言い、
新しい出発を意味します。

8月は申月、月干支と生年干支と大運干支が申－子－辰と、異次元融合を意味する三合を形成し、
異次元である霊界へと旅立たれて行かれました。
（死因は、五行の金に属す肺臓の疾患である肺炎）

渡哲也さんのご冥福を心より祈願し、弔いとさせていただきます。
pray

それでは、ご冥福を祈りつつ、動画でご覧ください。