風水学 風水学セミナー

~2007.10.21 「東アジアの風水思想」シンポジウムに参加して~

 昨日、明治大学リバティータワーにて行われた「東アジアの風水思想」シンポジウム(主催は明治大学古代学研究所)に参加させていただきましたので、簡単にレポートさせていただきます。このシンポジウムは、国が推進している「一般市民が参加できる大学公開講座」の一環です。
 当日は、学術的風水研究の第一人者であられる渡辺欣雄先生(首都大学東京、東京都立大学教授)と山内健治先生(明治大学政治経済学部教授)が司会進行をされ、渡辺先生はじめ、7名の先生方による研究発表があり、その後全体討論会という形で10:00~17:00まで、行われました。

 7名の先生方による発表内容は下記のとおりです。

①渡辺欣雄先生
 「東アジアの風水思想」概説
②上田信先生(立教大学文学部教授)
 「樹林を護る風水論~福建の森林と風水書『地理独啓玄関』余気論」
③水口拓寿先生(東京大学大学院人文社会系研究科助教授)
 「なぜ風水は迷信視されたか…中国の場合」
④野崎充彦先生(大阪市立大学大学院文学研究科教授)
 「朝鮮王朝の風水論争…風水師の関与を中心に」
⑤鈴木一馨先生(財団法人東方研究会研究員)
 「古代日本における風水の転換」
⑥宮内貴久先生(御茶ノ水女子大学大学院人間文化創成科学研究科文化科学系研究院助教授)
 「日本の家相・風水…出版文化とリテラシー」
⑦都築晶子先生(龍谷大学文学部教授)
 「沖縄の風水思想」

 冒頭にて渡辺先生が、「学術的風水研究者は、風水師ではなく、あくまで『風水』を客体として研究しており、今日日本で流行したインテリア風水的なご質問なきよう、了承お願いします。」とおっしゃられましたが、7名の先生方のご研究は、たしかに風水を客体として、客観的な視点で鋭く研究されたものばかりで、風水師として実践ならびに主観的な研究をしているウメサンにとっては、とても興味深く、また教えられることがとても多く、有意義なシンポジウムでした。
 ウメサンがもっとも印象に残ったことは、①の渡辺先生の概説にて、韓国においては、風水思想というものを、知的財産にしようという国家的プロジェクトが始まっているということでした。
 ソウルは世界でも有数の風水都市として有名ですが、国をあげて風水思想を研究し、知的財産にしようという運動を始めているとは、びっくりしたと同時に、都市選定や都市造り、さらには地球環境保全という観点から見て、今後の世界にとって「風水」が必要とされてきていることの兆候であることは間違いなく、うれしく感じた次第です。
 韓国に遅ればせながら、わが国日本においても、渡辺先生はじめとして、こうした学術的研究の輪が広がっていることに、風水にどっぷり漬かっているウメサンは、深く感銘させていただいた次第です。
大学の先生方による、風水を客体とした学術研究のみならず、風水師による実務レベルの、流派を超えた主観的研究会も求められている今日ではないでしょうか。
そして、学術的研究と実務的研究が融合されるとき、まさに風水は、本当の意味で占いの枠を超えた実践的風水学となれるのではないかと、希望に燃えさせていただいたケロケロウメサンです。

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