風水学 風水鑑定

磁北の考察

磁北の考察

 3月も中旬を迎え、拙宅のある桶川はここ数日大変暖かく、久しぶりに愛車を洗車しましたが、汗ばむほどで、水道も水も冷たく感じませんでした。遠くウクライナでは、ロシアの軍事侵攻により戦場と化している中、早期の和平を祈ることしかできず、申し訳ない限りです。
どうして今回の軍事侵攻が強行されたのか、政治的な観点では、ウクライナ東部は親ロシア派が多くその独立支援の為、西側NATOの東方拡大を懸念など、新聞紙上やテレビやネット上などで指摘されていますが、風水師のウメサンは風水学と命理学の観点から考察したいと思います。この考察記事に関しては、次回掲載させていただきます。
今回の記事は、掲題にあるように磁北に関してですが、ウクライナ侵攻を風水学で考察する上で、ウクライナの首都キエフにおける磁北を知る必要があり、その考察に入る前に、磁北について記事にしておくべきと考えました。
風水学では、建物の向きや居住者の吉凶に影響を与える地理地勢(河川における来水と去水、三叉水口、池、山頂、谷間、高木、岩など)、人工構造物(電信柱、鉄塔、高層ビル、交差点、建物の角、墓地など)の方位を測定する場合、磁北を使用します。
説明するまでもないと思いますが、
磁北とは、風水師が使用する羅盤や方位磁石が指す北方位です。地球は磁北極をS極、磁南極をN極として磁気を帯びているわけですが、磁北は時間と場所によって変化する地磁気の水平分力です。
よって、磁北は北極点を指す真北とはずれ、東京近郊では真北より7度強、西偏して(西に傾いて)います。 この真北とのずれは場所により異なり、日本列島においては、緯度が高いほど大きく、東京より北(高緯度)の札幌では10度弱、東京より南(低緯度)の那覇では4,5度ほど西偏します。
しかしどこでも西偏するわけではなく、日本と同じ北半球でも、大谷翔平選手が所属するエンゼルスの本拠地アナハイムは約12,5度東偏します。南半球はどうかというと、マダガスカルの首都アンタナナリボは15度西偏ですが、ニュージーランドのアンバリーでは22度東偏となります。
このように地磁気の水平分力である磁北の偏角は世界各地により異なります。
下図は、Earth, Planets and Space(EPS誌)より転載した、メルカトル図法の世界地図に記された『国際標準地球磁場モデル』で、等偏角線で描かれた偏角図で、2015年に発表されました。

国際標準地球磁場モデル(Earth, Planets and Space(EPS誌))

紫線は西偏、緑線は0度、赤線は東偏となっています。
日本列島だけ見れば、高緯度になるにつれて西偏も大きくなることがわかりますが、北半球全体で見るとそうとは限らず、ヨーロッパではほぼ経度に沿って等偏角線が縦になっており、ロンドンでは1度強西偏、フランスのパリはほぼ0度、イタリアのローマで2,5度東偏、ドイツのベルリンでは3度東偏、スウェーデンのストックホルムで5度東偏、ロシアのモスクワでは10,5度東偏となっています。
因みにウクライナの首都キエフは、この図からですと9度ほど東偏しているようです。
地磁気は場所によって異なることがわかりますが、時間の経過によっても変化しています。
ウメサンは立命塾の実践的風水学講座にて、「図面に磁北を記すときは、東京であれば真北から7度西偏させて下さい。」と教えていました。ましたと過去形にしたのは、今年の2月2日の国土地理院の発表によると、ここ数年地磁気の動きが大きくなり、東京では平均7,5度西偏になるというのです!
国土地理院の記録によれば、1980年の東京や名古屋、大阪は6度西偏でしたので、ここ40年の間に、実に1,5度も西に傾いていることになります。
まさに地球は生きており、よって地球が発する地磁気も動いているのです!なぜこのように時間により変化し、場所により異なる磁北を、風水学では基準とするのか!?
この命題の回答については簡潔に、2019年10月11日にQ&A『風水鑑定における方位基準』に記しましたので、ご照覧ください。
「南極や北極では、90度、180度も東偏、西偏する箇所もあると思いますが、それでも磁北を基準とするのでしょうか?」という質問を受けたことがあります。
確かに南極の昭和基地では約50度西偏、ヴォストークでは121,5度西偏となっており、かなりの偏角です。風水学における回答は、そうした地でもやはり磁北基準でいくべきとなります。
北極や南極はあまりにも極寒で、住居には適さず、ウメサンが知る限りそこで永住できる民族はほとんどおらず、北極圏のエスキモーと呼ばれるごく少数の先住民族くらいです。風水学的に見れば、偏角の大きすぎる地は、少なくとも風水吉地ではなく、風水学の理氣理論を当てはめることができないと言えるかもしれません。
今回は磁北について考察しましたが、風水師が扱う羅盤の針を「指南針」と称するように、磁北を基準とするということは磁南を基準とする、むしろ後者であると風水上はすべきであることを補足して、筆を置く、いやキーボードの入力作業を終えたいと思います。

追伸
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