四柱推命学・算命学 風水探偵

登戸通り魔殺傷事件を風水学と命理学で考察Ⅱ

 6月に入り、雨が降りそうで降らないすっきりしない天気が続いてきましたが、今日は久しぶりの雨、梅雨入り間近であることを感じますね。
 さて今回は、1日の記事「登戸通り魔殺傷事件」の続編です。前回は風水学的に考察しましたが、今回は命理学の視点から考察します。
 岩崎隆一容疑者の生年月日は、週刊誌報道によりますと、昭和42年12月28日生まれです。
 四柱推命における命式原局は下記のとおりです。(四柱立命より算出後転載)

容疑者命式

 命式原局の特徴は、通変星で最も貴氣とされる「正官」を月支元命に持ちながらも、日干「丙」に対し、子月生まれで月令を得ておらず、さらに傷官が隣接して剋を受け、せっかくの貴氣が発揮されない「正官破格」です。男性にとって正官は職業をも意味し、人間関係のトラブル等で、なかなか定職にはつけず、転々とする憂いがあります。また家系や親の場である生年柱における傷官からの剋ゆえ、実家や親との疎遠の憂いもあります。ましてや子‐未の「害」関係からの正官-傷官ゆえに、その憂いは強烈です。実際に、詳細の理由はわかりませんが、岩崎容疑者が幼少の頃に両親は離婚し、なぜか父親の兄である伯父の家で育てられています。
 もうひとつの特徴は、生年柱と生月柱が、丁-壬かつ未-子の「干合支害」となっていることです。精神と肉身の不一致を意味し、思いと現実が一致しない、即ち思った通りの現実にならない憂いがあるのです。岩崎容疑者の場合、その最たる表れが肉親と幼少期に離れ離れになったという家庭環境です。
 下記は岩崎容疑者の大運(十年運)を示した表です。

容疑者大運

 岩崎容疑者は事件当時51歳でしたから、47歳~56歳の十年運にいたわけですが、この大運干支は「丁未」で、生年干支と同じとなり、生月干支「壬子」との干合が重なってしまい、精神と肉身の不一致度は、大変なのもであったと思われます。干合が重なる場合、『妬みの合』と称し、妬みの感情が強くなります。一説によれば、同居していた従姉が学生時代に、カリタス学園で就学されていたとのことで、自分は通えなかった恨み妬みがあり、学園児童を襲ったのではとの報道がありましたが、確かにその頃の恨みや妬みが増幅された可能性があります。
 しかし同じ生年月日であれば、同様な事件を引き起こすかと言うと、もちろんそんなことはありません。日本国内だけでも、同じ生年月日の人は3,500人以上いるとされています。四柱推命学では生時も重要視しますが、子刻から亥刻まで2時間毎の12通りあり、容疑者と同じ生時の人は、それでも300人近くいることになります。同じ生年月日時の場合、性格や心身の特徴は似ており、人生のバイオリズムが概ね同じと言えますが、育った環境(風水)や生き方により、違いが出てくるのです。
 「試練の後に恵みあり!」とよく言われますが、正確には、「試練のときにそれを恨まず甘受し忍耐して、努力を継続できれば、その後に恩恵がある!」ということだと思います。人生の成否を分かつのは、誰しもに訪れる試練のときをどう生きるか、そこにかかっていると言えるでしょう。それにより、同じ生年月日時といえども、大きな違いが生じると、長年五術に携わったウメサンは感じます。
 さてまた岩崎容疑者の大運に戻りますが、47歳~56歳は干合支害が重なり、精神的苦痛はかなりのものであったでしょうが、生年干支と大運干支が同じということは、「律音(りっちん)」と称され、新たなスタートができる十年間でもあったということです。残念ながら、大試練に押しつぶされた精神状態が引き起こす最悪の結果となってしまいました。
 なお余談ですが、事件現場は容疑者の家から東方位でした。前回既述したとおり、事件のあった2019年5月28日辰刻(7:40頃)は、九星では年月日時全て八白土星中宮となり、東方位には六白金星が回座していました。岩崎容疑者の本命卦は乾で、九星では六白金星です。九星気学的には本命殺の方位です。本命殺には、自分の行動により災いを招くという凶意があるとされますが、結果としてまさにその通りとなってしまいました。
 中国五術を扱うウメサンは、日本独自に発展した九星気学を方位学として全面的に用いることはありませんが、年月日時全て同じ九星盤となり、本命卦が乾(六白)の岩崎容疑者を、六白が重なる東方位に引き寄せたとは言えるのではないでしょうか。
 遺書が残されていないようで、動機の解明は難しい状況ですが、命理学的要因に、前回投稿した風水的要因が重なったことも、少なからず今回の蛮行の遠因であると考察します。
 最後に、亡くなられたお二人のご冥福と、被害にあった児童たちの心身の回復を心よりお祈り致します。

※四柱推命学に関心のある方へ
 ウメサンが塾頭をしている立命塾では、四柱推命学講座を四か月に渡り、行っております。
 今期は 9/21(土)開講です。詳細は第13期立命塾実践的四柱推命学講座をご覧ください。
 

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