15日は先の大戦が終戦して74年目の終戦記念日ですね。デスクワークの合間、12時のサイレンが鳴り、犠牲になられた方々のご冥福と恒久平和を願い、ウメサンも黙祷させていただきました。
8月は、広島と長崎の原爆投下、日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故により多くの方々が犠牲になられましたが、御盆の月でもあり、慰霊の祈祷を捧げさせていただく月間ですね。
さて、今回のブログ記事は、前回の続きで、掲題の内容になります。事件は先月でしたが、慰霊の祈りを捧げつつ、記事とさせていただきます。
下図は、京都新聞のネット版に掲載された第一スタジオ平面図に加筆させていただいた一階平面図です。
第一スタジオは、2007年竣工ですので、三元九運では下元第8運(2004年~2023年)です。
前回の記事で、建物向きが24山方位の辰と巽の境界線に限りなく近く、空亡の疑いがあることを指摘させていただきましたが、この地域の平均磁場を基準とすると、辛うじて辰向き(戌坐辰向)となります。下図は、「下元第8運 戌坐辰向」の玄空宅運盤(飛星チャート)です。
中央を含め、9つのマスがありますが、ひとつひとつを宮(ぐう)と称します。各宮は三段ありますが、
上段;年九星 月九星
中段;坐星 向星
下段; 運星
と、全部で5つの数字(九星)が散りばめられており、そこから挨星(あいせい、挨は散りばめるの意)盤とも言われます。中央の宮を除く八つの宮は八方位を示します。上図は、平面図に合わせて上を西北、下を東南、右を東北、左を西南にしています。各宮の九星のうち、陽宅(生者の居宅のことで、死者の居宅すなわち墓を陰宅と言う)では、中段にある向星(一般的には水星と称す)で、この向星と上段にある年九星、月九星との絡みにより、各々特徴的な吉凶作用が生じます。
流派を問わず居宅の風水で重視されるのは玄関ですが、第一スタジオの玄関は太極から見て南の角にあり、向星は2(二黒)です。そして南方位の年九星は3(三碧)で、2(二黒)と3(三碧)が化合すると闘牛煞(とうぎゅうさつ)という、人間関係のトラブルを招く煞氣が生じます。
ここに巒頭上の形煞が加わると、その煞氣は強められてしまいますが、前回既述したように、玄関はT字路口に立地しており、よって今年は槍煞+闘牛煞が重なるため、人間関係のトラブルには要注意の一年でした。
それだけではありません。事件のあった7月は、東南方位に災厄を招く五黄が来ていましたが、槍煞を生じる道路は東南方位に位置し、この槍煞の煞氣を強めていました。以上より、事件のあった先月は玄関に、月五黄で強められた槍煞+闘牛煞という強力な煞氣が生じていたことがわかります。
他の観点から考察を続けます。社屋の場合、従業員通用口が玄関とは別に設けられていることが多いですが、社員の出入りする通用口も、玄関に次いで重要です。図面を見てわかるとおり、第一スタジオも従業員通用口があり、西方位から西南方位に設けられています。建物の裏側に広い駐車場があり、恐らく車通勤されていた社員さん達は、ここに駐車して、西南方位に回ってから通用口に入られていたのでしょう。
西南方位には今年、年九星として五黄が来ており、災厄を招きやすい憂いがありました。前回指摘させていただきましたが、建物太極から見て西南方位には、用水路の屈曲点があります。河川の屈曲点は水の流れが変動するため、その場にある氣を活発化させ、8(八白)などの吉星であれば吉意を強め、5(五黄)などの凶星であれば凶意を強めてしまいます。西南の年九星である五黄の凶意を強めてしまっていたのです。ですから今年一年は、水流の屈曲点により強化された五黄の氣と共に、社員さん達がスタジオ入りしていたことになります。
以上、玄関と従業員通用口における煞氣の侵入が、風水学的には今回の事件の遠因であると思われます。
あと風水学的考察の補足ですが、容疑者が侵入し、ガソリンを撒いて発火した箇所は、螺旋階段の近くでした。前回既述したように、三階まで続いているこの螺旋階段が煙突効果となり、一気に爆発的な業火と黒煙が二階三階まで及んでしまったのですが、風水学的に螺旋階段は推奨されていません。まるでドリルで下から上へ建物に穴を空けるような形態だからです。とは言え、螺旋階段だけが問題であったわけではなく、様々な風水学的要因が重なったことをご理解ください。
次に、命理学的な観点から考察します。
ネット情報によると、容疑者の生年月日は1978年5月16日で、命式は下記のとおりです。
偏印により倒食される月支食神破格です。格を構成する食神が倒食されると、人生の福禄寿にダメージがあり、衣食住に貧窮しやすく、心身の健康も害しやすくなります。
下表は、容疑者の大運(十年運)表です。
容疑者の天中殺は申酉ですが、事件当時41歳だった容疑者は、27歳から46歳までの20年間、大運天中殺期間にあります。大運天中殺期間は、個々人特有の人生の枠組が取り払われ、際限なく上昇する人もいれば、逆に際限なく落下する人もいます。想定外の成功と失敗、まさに天国と地獄に分かれる期間とされます。そしてどちらにしても最後の5年間は、再び人生の枠組がはめ込まれていくため、大きな試練の期間となります。41歳の容疑者は、まさにその最後の大試練の5年間に突入したばかりでした。
もともと倒食の月支食神破格の持ち主にとり、さらに今年己亥年は、月支の巳を冲して益々倒食の作用が増したばかりでなく、大運天中殺最後の5年間に及ぶ大試練への突入が重なり、彼の心身の消耗度はかなりのものだったと推測できます。
こうした宿命的要素に、環境的すなわち風水学的な要因が加わると、そのダメージは強められ、人によっては犯罪に走ってしまう憂いがあります。残念ながら容疑者宅の情報までは把握できませんでしたが、玄関に年五黄が回座していたり、坐(向きの反対側)に三煞や歳破が回座していたり、なんらかの凶煞が関わっていたのではないでしょうか。
大事件がある度に風水学的、命理学的に考察してきましたが、いつも事後の考察の空しさを味わわされます。それと同時に、集中豪雨で水位が増して堤防が決壊し、大きな被害をもたらすように、宿命的要因に環境的(風水的)要因が重なることで、人として超えてはならない一線をも超えてしまいかねないと実感させられます。
四柱推命などの命理学は、己や相手を知ることにより、長所を生かし、短所は自戒し、チャンスをつかみ、試練を甘受する術(すべ)を与えてくれます。
風水学は、ただ単に吉凶を分析するだけでなく、大自然にある生氣を活かし、煞氣は避ける趨吉避凶の術で、しっかりした対策もあるのです。
温故知新と言いますが、こうした中国古来からの知恵をより多くの人に伝えていくことが、ウメサンの天命だと自覚して、立命塾を通し、今後も草の根的に頑張っていきたいと新たに決意させられました。
最後に犠牲になられた35名の方々のご冥福と、京都アニメーションの再興を、心より祈願します。
pray
追伸)
※四柱推命学に関心のある方へ
ウメサンが塾頭をしている立命塾では四柱推命学講座を四か月に渡り、行っております。
今期は 9/21(土)開講です。詳細は第13期立命塾実践的四柱推命学講座をご覧ください。
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