四柱推命学・算命学 占術

東横インの不正改造問題に見る「空亡(天中殺)期の教訓」

 耐震強度偽装問題やライブドア事件に引き続き、またまた世間を「まさか!?」とびっくりさせた事件が起こりました。東横インの不正改造問題です。
 東横インといえば、昨今急速にホテルチェーンを増やしており、今や押しも押されもしないビジネスホテル業界の大手企業ですが、支配人以下ホテルスタッフは女性を採用し、女性ならではのきめ細かいサービスと、安価な宿泊代に引かれて、私も出張のときにはよく利用させていただいています。
 もう一つ私が引かれたのが、「内観法」普及に努めている点です。「内観法」とは、静かな環境の中で精神を集中し自分の過去をじっくりと見つめることで、自分自身の心の有り様を客観的に捉える方法で、よりよき生きがいを求める人々のために有効な修養法とされています。ホテル各部屋にはこの内観法の本が置かれています。
 この東横インの社長こそ、知る人ぞ知る西田憲正社長ですが、とても本質的な社長さんとして、私も注目しておりましたので、正直ショックでした。
 西田社長は、昭和21年8月25日生まれですが、生時不明ゆえ三柱推命の命式は、次のとおりです。

生年 丙戌 正官 印綬 冠帯 羊刃
生月 丙申 正官 劫財 帝旺 天官貴人
生日 辛未    偏印  衰          空亡 戌亥
生時 不明
 ※蔵干は泰山流に依ります。

 この命式は、「生年正官格」かつ「官印良全の命」という吉格を構成しており、先祖の功労と徳を受け、地位名誉を得る富命です。また、印綬と羊刃が同柱なので、とても人格者です。しかし、そのような富命なのに、なぜこのような問題が生じたのでしょうか?
 その運勢学的原因は、10年運として、壬寅 傷官星 が巡り、さらに2006年の歳運として、丙戌 正官星 が巡っている行運の影響にあります。
 こうした行運により、
  ① 生日干「辛」を中心に、五行が水化する「辛-丙の干合」が3つ重なり、自己のエネルギーが大きく漏れる。
  ② 格を構成する正官を剋する傷官が56歳より10年間巡っている
  ③ 格を構成する生年干支丙戌と、2006年干支が同じ(伏吟)
  ④ 2006年歳運として、正官星が巡り、官星太過する
 という凶作用が重なります。
 そして最も大きな要因は、
  ⑤ 空亡の戌亥に入る
  ことです。(もちろん運勢暦においては、2006年丙戌年の運気は、2/4の立春からですが、2/4となって突然とチェンジするわけでなく、その前後の期間で徐々に移行しているので、この事件があからさまになった1月末は、かなり丙戌年における運気にあると言えるでしょう。)
 空亡は、別名天中殺とも言われ、誰しも12年に2年訪れる運気の低迷する期間ですが、個々人の命式や風水環境などにより、その現れ方には差異があります。西田社長の場合は、①~④の凶条件が重なっていたため、今回のような大問題となってしまう下地ができていたと言えます。しかしどんなに凶なる条件が重なっていたとしても、だからといって必ず悪い結果になるとは限らないのです。東横インの場合のように、運気の良い時期には表面化しなかった、「“天法”に背いた行為」の積み重ねが、運気の悪くなった時期に入るや否や、一気に表面化して、天の裁きを受けざるを得なかったと言えるでしょう。
 ライブドア事件の場合もそうでしたが、堀江社長や西田社長のように、どんなに吉格の命式を持つ強運の人でも、必ず運気の浮き沈みがあることを教えられた1月でした。調子の良い時こそ、傲慢になることなく、天法に背くことのない、すなわち、いつも己の良心に問いかけ、良心に恥じない言動を取らねばならないと感じさせられたケロケロウメサンです。

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